市民のためにある議会改革を
小川 尚一
6月議会において、市長の問責決議案が上程され、賛成16、反対8で可決されました。内容は、先に書かれているとおりですが、これまで新市長就任以来の議会は、ことごとく執行部への指摘ではなく、市長への反発となっています。
選挙戦の名残りとはいえ、前市長派閥の多数を抱えた議会での発言は、何の生産性もなく、時間の浪費にも見えます。新市長は、市民の負託を受けているのですから、市民のために何をするのかといった政策や、それに予算をどう使うのかといった議論がされるべき議会で、個人攻撃や、職員と仲良くやるような発言は、チェック機関である市議会として問題があります。
今年2月に、議会改革の全国の先進地である会津若松市議会に、議員全員で日帰り研修を挙行しました。その主なものは、「政策提言のできる議会」「チェック機能の働く議会」「議論する議会」「市民への報告と広く意見を聞く議会」を実現するため、議会基本条例を制定したというものでした。
早速、南相馬市議会でも議会改革を検討すべきと、まずは議員全員による毎議会報告会を行うことを提案しましたが、「間もなく議員の改選となることから改選後の議員でやってもらいたい」、「選挙活動で忙しくて無理」などの意見があり、ボツとなりました。何も大上段に構えるのではなく、やれるところからやりましょうの提案でしたが、せっかくの研修も生かされず残念です。
一方で、多数による市長いじめは、見苦しい限りで、傍聴者からも聞いていられない、気分が悪くなったという声があったぐらいです。
言うまでも無く議員一人ひとりは、市民の代表ですから、執行部と政策の議論をして、よりよい南相馬市となるよう研鑽に努めたいと思います。
市長のいう株式会社南相馬市役所は、資金繰りをしっかりして持続可能な経営をしながら、市民サービスは低下させないということだと思います。さらに言えば、我慢もしながら身の丈にあった経営をし、収入をいかに増やす工夫をするか、借金を後世に残さない努力に、職員は元より議員や市民が一緒になって、知恵を出し合って、現時点から勇気をもって取り組む必要があると考えます。