唖然としました。
副市長案を無記名投票の結果、反対12、賛成11の賛成少数で否決したのです。
この日は、朝から嵐が吹き荒れていました。本会議前の議会運営委員会においても、人事案件を無記名投票にする意見があり、私たちは当然議員が態度を明らかにするのであるから、起立採決を求めましたが、無記名投票の手続きが議員から出されれば、受けざるを得ないとの事務局の話から、では、記名投票をすることを求めましたが、通りませんでした。

質疑、討論では、本人を誹謗する発言や、問題発言もあり、議事進行が再三かかり議会はストップしました。
言うまでも無く、柳村氏は、元岩手県滝沢村村長で、株式会社滝沢村役場を12年実践された方です。その中で、行財政改革と何よりも職員の意識改革を図り、村長を社長と呼び、職員を社員と呼び、村民をお客様と呼ぶ徹底ぶりで、「日本一の村」としてNHKの全国ネットの特別番組で取り上げられた人物です。退職後も年間50回以上の講演をこなし、一昨年兵庫県加美町町長に乞われ副町長に就任していました。

実は、市長も私も議員時代に会派で、行財政改革の先進地として、滝沢村を数度視察に伺っていました。当時、議員の視察に対して村長自ら説明いただき驚いたのですが、その後伺った時には、職員の意識レベルが変わっているのに驚かされました。
そんなお付き合いがあり、市長も以前からの知り合いということでしたので、私はまさかこの人が南相馬市に来ていただけるとは、夢にも思っていませんでした。

市長が取り組もうとしている行財政改革を推進する上で、またとない人物だと思われたのですが、今回の反対は、反市長勢力と呼ばれる議員だけではなく、共産党からもあったので、驚かされました。いろいろ聴いてみますと、滝沢村長時代に進めていた地域活性化政策に廃線間近の路線があり、その建て直しを図ろうとして地元出身の宮沢賢治にちなんで「銀河鉄道」として取り組んだ事業がありました。この鉄道の駅設置の土地買収で問題があったということで、共産党を中心としたオンブズマンの動きがあったようです。
しかし、結果は検察による起訴もなく、何ら法を犯してもいないにもかかわらず、あたかも犯罪者のような指摘をしていることに、残念な思いがしてなりません。

私は、市民の方を向いてしっかりと仕事のできる人材であれば、市長を補佐し行政(市役所)が市民のために仕事をするよう行財政改革を進める最適任者だと思います。

仕事をする前から、あら捜しをしていかにも問題があるがごとき発言と、自分の態度を明らかにせず無記名投票を実行する議会は、今般の選挙において市民の負託を受けたものとして、筆舌に尽くしがたい思いがあり、一刻も早く市民にとって不幸なこのような事態の改善収拾を議会は図るべきであると思います。

あらためて、議会改革の必要性を痛感しました。