ごあいさつ
3.11の東日本大震災と、その後の東京電力福島第一原子力発電所事故による原子力災害から3年6ヶ月が過ぎ、震災直後の様相とはすっかり変わっていますが、心の中は、先行きの見えない不安で一杯のまま変わることはありません。
大震災と大津波からの復旧は漸く進んでいますが、原子力災害については、福島第1原子力発電廃炉の目途も立たず、県が中間貯蔵施設の受け入れを示したところです。
私たちは、この原子力災害により、地域を無くし、人生設計を狂わされてしまいました。その責任は、国と株式会社東京電力にしっかりと取っていただかなければなりません。一方で、南相馬市の将来を見据え、一歩ずつ自立に向かって進まなければなりません。復興交付金を含め、もう少し国の補助金を当てにしなければなりませんが、生まれてくる子供たちや、今いる子供たちのためにも、生活する全ての人が幸せを実感できる「新しい南相馬市」を今から築いていかなければなりません。
そのために議会は、市民と行政の架け橋となって政策を実現し、問題課題を解決していく責務があると痛感します。議員が市民の不安を煽ったり、執行部の足を引っ張ったり、批判をしていたのでは復興は進まないと考えます。
前回(4年前)の選挙後4ヶ月目の震災津波放射能災害に遭い、議会でもそれぞれが自己判断で行動した時期や、恐らく新人議員に至っては議員として何をすればいいのかすらわからなかったことでしょう。3年半が過ぎ、それぞれに学ぶことも多かったと思いますが、議会の秩序も維持されていないのも事実です。
私は、議会を本来の姿に戻し、是々非々の判断をして、市民と共に新しい南相馬市を再興すべきと考えます。
これからの自治体経営においても「株式会社南相馬市役所」という発想は必要だと考えます。さらに言えば、市役所を総合商社と捉え、各部署の例えば経済部や福祉部を子会社とみて、その部長を社長とし、市長はそれらを取り仕切る統括責任者とすれば市役所がもっと機能するはずです。
そして、株式会社南相馬市役所の社是(目標)は、「全ての市民が幸せに暮らせること」とし、その幸せ度を「市民総幸福量」で計ります。いわゆる「GDP(国民総生産量)」から「GNH(国民総幸福量)」への考え方と政策の転換です。実際にブータン国では、国民の97%が幸福と答えています。これを、是非南相馬市に置き換えて、政策を実行していくべきだと提案し、執行部としても理解をし、取り組もうとしています。
私は、これからも行政の改革と、議会の改革が重要と捉え、「良識ある議会」をめざし、その先にある「最大市民の最大幸福」を実現して参ります。
皆様には、より一層のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。
2014年9月
南相馬市議会議員 小川 尚一